Videographer of Gagaku.Also videography of Japanese traditional dance.


2013年7月19日金曜日

雅楽演奏会のビデオ撮影

【更新2015年3月】
 2014年12月から、メインカメラ1台と同じ型番のサブカメラ3台とで、計4台の構成による撮影が可能になりました。 しかし、撮影手法は、これまでと殆ど変わらない、感性豊かなカメラワークです。

 さて、当方がお世話になっている雅楽演奏会は有料公演です。そして、カメラポジションは消防法の事もあるので、通路からは撮影せず、最後部座席のセンターに三脚を立てて撮影しています。しかし、傾斜の少ない会館では、前のお客様が演奏中に出入りしますとカメラのフレームに入り映像がだいなしになります。なので、VTR台を置いて対策しています。また、有料公演ですので、複数カメラで座席を多く確保するのは申し訳ない気持ちになります。だから、原則1台カメラにこだわるのです。そして、1台カメラだからこそ、簡単には撮影出来ません。そこには、長年の経験と熟練された高度なカメラワークが必要になるのです。次に、雅楽には右方(上手)左方(下手)があり、管絃はセンターに集まりますが、舞楽では管方が左右に分かれ、舞人は前後左右に向きを変えて演技しています。これを、舞人ばかり撮っていては管方が映りません。もっとも奥の管方(太鼓や鞨鼓など)さんは、かろうじて映ります・・・。

 そこで、私は演技の意味を理解しカメラワークにも意味付けをした独自の撮影法を編み出しました。これにより、鑑賞的にも退屈せず、そのカメラークの意味が見えてくるのです。おそらく鑑賞者は「なるほぞっ」とうなずいてくれる事でしょう。そして、TV番組のカメラマン(若い時は私もTV番組のカメラマン)は、寄ったり引いたりし、部位にも寄ったりします。ファン鑑賞用には喜ばれるかも知れませんが、私の場合、千年先まで役に立つような映像アーカイブとして撮影しておりますので、全身サイズ(FF)よりは寄らないのです。これは日本舞踊も同じで寄ってはいけませんね。